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『GROOVE COASTER』石田礼輔&ZUNTATAに聞く App Storeランキング1位を獲得したいまだから言えるハナシ

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●激レア資料はマジ必見!

 タイトーから配信中のiPhone向けアプリ『GROOVE COASTER』が2011年8月2日現在、App Storeの有料総合ランキング1位を獲得した。そこでファミ通App編集部では、このタイトルを手がけたゲームデザイナーの石田礼輔氏、サウンドチームZUNTATAの小塩広和氏、土屋昇平氏に緊急インタビューを敢行! ゲーム製作の根幹の部分の話はもちろん、貴重な開発資料なども公開してもらった。超ロングインタビューとなるが、本作のファンにとっては必見の内容となっているので要チェック!

●App Store1位タイトルは最初の企画会議では通らなかった!?

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ゲームデザイナー
石田礼輔氏

――まずは、AppStoreで総合1位を獲りましたね。おめでとうございます!

石田 ありがとうございます! 挑戦的な内容だったので、やっぱりゲームが受け入れられたのがうれしいですね。いまさらですけど、このタイトルは“グルーヴゲーム”という新しいジャンルを提唱していまして、既存の音ゲーにはないターゲットの動き方をすることもあって、反発を受ける可能性も考えていました。だからもう本当にユーザーの皆さんに感謝ですね。

――そもそも今作のアイデアを思いついたのはいつごろですか?

石田 『スペースインベーダー インフィニティジーン』(以下『インフィニティジーン』)のバージョン4を配信したのが2010年11月。そこから考えはじめました。

――その時点で、いわゆる“音ゲー”をイメージしていたんですか?

石田 じつは最初はパズルゲームだったんですよ。だいぶまえから自分のなかにあったアイデアが、思考型のパズルゲームだったんです。ただ、それを実際考えてみると何か少し“ブレイクするにはもの足りない”感じがしたんです。それでそこに音楽の要素を足してみて、そのあといろいろと突っつきまわして……最終的にはまったく違う形になっちゃったんですけど(笑)。最初はもう少し知的なものを考えていたんですけど、それよりは誰でもプレイできるもののほうがいいなと。あとこれは僕の性格上の問題で、思考型よりアクション型のほうがいいなと思うようになりました。……と、ここまでいろいろと話してきましたが、じつはこれって半日くらいのあいだの出来事なんですよ(笑)。思いつくときって、わりと一瞬のもので、ずーっと考えててもでてこないときはでてこないですし。今回はいろいろと考えはめぐらせましたけど、一気に進みました。

――シューティングという選択肢はなかったんですか?

石田 つぎもシューティングという考えはなかったですね。ただ、シューティング好きな人が作った音ゲーだよ、というのは出したかったですね。

――“インフィニティジーンプロジェクト”となっていますが、これも最初から決まっていたことですか?

石田 そうですね、せっかくiPhoneアプリで『インフィニティジーン』というタイトルが少しは認知されたので、シリーズのファンに触ってもらいたいというのはありました。ただ、あのゲームはすごくストイックなゲーマーに好まれるタイトルで、今回の『GROOVE COASTER』はもう少し幅を広げたいなという考えはありました。全体的に色をカラフルにしたり、音楽的にもジャンルを広げたりとかですね。ただし、それはあくまで『インフィニティジーン』を好きな人が拒否反応を起こさないレベルで、です。

――着想から配信まで一気に進んだ感じがしますが、開発にあたって苦労したエピソードはありますか?

石田 このゲーム、思いついたときに自分で「きたー!」って興奮するぐらい、これまでのどのタイトルよりも自信があったんですよ。それで社内の企画会議に臨んだんですが、絵と文章だけではいまいちイメージが伝わらず、このゲームは実際に形にして見てみないとわからないという話になりまして、テスト版を作ることになりました。そこでこの小塩(サウンドクリエイター小塩広和氏)と、『インフィニティジーン』のEZweb版を作ってくれたプログラマーの浜口(浜口輝男氏)に、忙しいと知りつつ協力をお願いしたところ「これはおもしろい!やりましょう!」と快諾してくれたんです。

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▲極秘資料その1。これが当時の企画書。すでにゲームを知っている我々が見てもたしかにそのおもしろさは伝わりにくい……!?

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サウンドディレクター
小塩広和氏

――小塩さんは最初に企画を聞いたときどう思いました?

小塩 音ゲーって、ふたつのトレンドがあると思うんです。かっこいい音ゲーと、いろんなことが遊べる音ゲーのふたつですね。これまでタイトーでは『ミュージックガンガン!』などどちらかというと後者のものを作ってきました。僕は音ゲーが好きで、できればかっこいい音ゲーを作りたいなと思っていたので、話を聞いたときは「よし、これに乗っかってみようか」と思いましたよ。

石田 え、そんな感じだったの?もっと深く共感してくれたのかと思ったよ〜!

小塩 いやいや、十分感動的ですって(笑)。

――そのテスト版のサウンドは既存のゲーム曲などだったんですか?

石田 いや、じつはこの時点から小塩にオリジナル曲を作ってもらっていました。それがじつはいまのゲームの1曲目の『Music Plot Type Zero』です。つまりプロトタイプ(prototype)ってことですね(笑)。

――おお、なるほど!

石田 あの曲名はそのときからもう決まっていましたね。

――ちなみにそれって時期的にはいつごろのお話ですか?

石田 ええと、最初の企画会議に臨んだのが2010年12月の上旬くらいだったと思います。そこからふたりの協力を得て約2週間ほどでテスト版を完成させました。このテスト版は2Dではありましたが、ほぼ完成版に近い形にまで仕上がりました。……と言ってしまうと、なんでそこから配信まで半年もかかるんだと言われそうですけど、それはまたいろいろとあるんです(笑)。それで、そのテスト版で挑んだ企画会議では、なんとほぼ満場一致で承認がおりました。やっぱり言葉とイメージでは伝えられなかったものが、形にすることで「ああ、これは新しいね」と認めてもらうことができました。本当に、ふたりの協力がなければ生まれなかったゲームですから、とても感謝しています。

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▲極秘資料その2。これが見事リベンジを果たしたテスト版のスクリーンショット。たしかにほぼ現在の形に近いものになっている。

■Music Plot Type Zero

●「作曲が仕事なのに、調整ばっかりやってました(笑)」(小塩)

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――タップした感覚がすごく気持ちいいんですが、どのような工夫をされたんですか?

石田 いや、もう、この調整にすべてをそそいだと言っても過言ではないです。本当に配信ギリギリまで調整してましたから。やってること自体はエフェクトをどういう大きさにするかとか、どれくらい音を出すかとか基本的なことなんですが、エフェクトの出る長さや光の強さは本当に何度もリトライしました。ただ、この作業は何度も続けてると、なにがベストなのかわからなくなってくるんですよね(笑)。先週のほうがよかったという話になったり。「先週ってなんだよ、忘れたよ」と(笑)。やっぱりタッチパネルだと押した感触は得られなくて、音や映像でカバーするしかないので、どうしても時間をかけちゃうんですよね。

小塩 いまのiPhoneの音ゲーって、トレンドというほどでもないですけど、曲が流れていてそれに合わせてタップして、成功でも失敗でも流れている曲はそのままで、音には変化がないというものが多いんですよね。僕はそれにはすごく疑問を感じていて、やっぱり音ゲーで成功したらきちんと音がなってほしい。さっき話した“かっこいい音ゲー”には、プレイしていて自分が曲を作っていく、演奏しているという感覚を持たせたかったんです。

石田 今回小塩は通常のサウンドクリエーターとしての範疇を越えてゲームの制作に関わってもらってまして、楽曲を作るという作業のほかに、いま話したようなサウンドの仕様の部分、ミス判定の調整部分まで担当してもらっています。ただ、この調整が本当に難しくて、ほんの少しの差で難易度が大幅に変化するわけです。小塩が「これくらいならクリアーできる」と言っても、チームの誰もクリアーできないといったこともよくありました。しかも開発の後半になると我々の実力も自然と上がってきてしまうので、そうなるとなおさらわからない(笑)。

――そういえば、EASY〜HARDで判定って違いますよね?

小塩 そう、判定がちが……、ああ、ヤバイ言っちゃった(笑)。ここは内緒だったんですけど、概ねそのとおりです。EASYやNORMALはそういう判定を甘めに取っていて、HARDは挑戦レベルということでかなり厳しめです。

石田 ただ、ほとんどの人が曲を聴き込めばできるくらいのレベルにはしてあるつもりです。このゲームに関してはべつに心をへし折るつもりで作っているわけではなく、音楽をちゃんと楽しんでもらいたいという部分を重視しています。ですから、App Storeのレビューで「ふだん音ゲーやらないけどこれはおもしろかった」なんて意見を目にすると、届けたかったところに届いてるなあとうれしくなります。

――ワイヤーの表現で奥行きだけじゃなく、アップダウン感みたいなのをすごく感じました。初めからワイヤーフレームの表現と決めていたそうですが、ああいった表現も当初のイメージどおりでしょうか。

石田 今回3Dでやることは最初の企画書のレベルで決まっていました。ゲームとしては2Dでやっても新しさを出せると思っていましたが、「2Dで出したら類似アプリをすぐ作られちゃうかも……」と思って、それだったらもう最初から突っ走ることにしました。ちょうどコンシューマー版の『インフィニティジーン』で3D表現をやって慣れていたのもよかったですね。奥行きを意識した見せ方は当然するつもりでいたんですけど、既存にそういうゲームがないので、この部分も試行錯誤になってしまいました。縦に起伏があって、それが奥にも進むとかってイメージって、企画書で書いてるときは「プレイできないかも」という不安もありました。ただこれもフタを開けてみたら「意外とできるじゃん」と(笑)。

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▲極秘資料その3。いわゆる仕様書と呼ばれるものだ。

――タッチするターゲットがいきなり現れても、“なんか押せちゃう”のが不思議です。

石田 それはやっぱり音をちゃんと聴いているからなんだと思います。一般的な音ゲーのイメージって、たくさんのマーカーが落ちてきて、それを演奏するように叩くというものですよね。『GROOVE COASTER』は叩く箇所はひとつで、曲調によって距離感やスピードの変化を付けてゲーム性を出している。だから音を聴けば自然と指も反応するはずです。僕も音ゲーは好きでよくやるんですが、「曲やリズムはわかっているのに、こんなに押すところが多いと反応できない!」という状態がイヤだったんです(笑)。

――たしかにあのタイプの音ゲーは、曲ではなくマーカーのタイミングを覚える感じになっちゃいますね

石田 僕はそもそも記憶力もよくないから、本当に難しいと思ってしまいます。ゲームセンターで上手な人を見ると「あの阿修羅のような人はいったい何なんだ……」って落ち込んじゃいますよ(笑)。

――タップ以外の操作方法はどうして入れようと思ったんでしょうか?

石田 いちばん最初の企画書ではタップとホールドだけで考えていました。ただ、それを出したときにほかの操作も入れてほしいという意見がすごくたくさん出まして。「いらなかったら外せばいいんだ」というくらいの気持ちで入れてみました。結局いまでも残っているので、入れてみて正解だったわけですけど、とはいえやっぱり判定の設定には苦労しました(笑)。

小塩 入れ込んでみた最初は誰も成功できなかったよね(笑)。

――GameCenterで友だちを増やすとどんな恩恵があるんですか?

石田 すでにユーザーの人は解放している人もいるでしょうから言ってしまいますけど、“The Beginning”というステージが、友だちを増やすことで少しずつ豪華になっていきます。単なるハイスコアーランキングに留まらないという意味では、GameCenterの使い方として珍しいのかなと思ってます。GameCenterって、アプリのなかに入っているものではなくて、厳密に言うとアップルさんのサービスだったりするので、もしかするとこの機能に気づかない人もいるかもしれませんよね。それはすごくもったいないので、そういう人がいたらぜひ使い方を教えてあげてほしいですね(笑)。

――アチーブメントのなかでとくに難しいものはなんでしょう?

石田 やっぱりあれかな、全部“GREAT”を取るってやつ。これは難しいと思います。小塩さんできます?

小塩 うーん、ステージ1くらいなら、できるんじゃないかなー。あ、たしかステージ1のNORMALで取ったかも。

石田 おお、さすが! そうですね。どのステージでもいいので、皆さんもできるだけ簡単なステージでがんばってみてください。

――やっぱり開発の皆さんってかなり上手なんですか?

石田 ふつうの人よりはうまいと思いますよ。小塩はやっぱりサウンドの仕様の部分を作ってたんで、チームの中ではたぶん彼がいちばんうまいですね。

――たとえばハイスコアランキングにも入ったりしています(笑)?

小塩 じつはこっそり入ってましたけど、さっき見たらもう転落してました(笑)。10位以内に入っていたときもあったんですけど、もう30位台でしたよ。やっぱりリリース直後は当たり前ですけど開発という有利な立場にいるので上位に入れるんですけど、熱が高い人にはもうすぐに抜かれちゃいますね。

――でも、それだけ活発だということのバロメーターでもありますよね。

小塩 そうですね。その点に関してはうれしい限りです。

――操作って、指1本が基本なんですかね(笑)? 指2本で操作する太鼓スタイルの方が高得点を狙えるんじゃないかと密かに思っているんですが。

小塩 おお、2本ですか(笑)。僕は1本ですね。2本だと“リズムが揺れちゃう”んじゃないかな。早めに1本に戻したほうがいいと思います(笑)。

石田 僕は使う指を決めてないです。そのときの気分で人差し指だったり親指だったり、左手のときもありますよ。疲れてくるとかじゃなくて、本当に気分で。

●“リズムゼロ”! 音ゲーの常識を覆すような曲が完成

――石田さんからサウンドチームへの注文はどういったものでしたか?

石田 僕から出したオーダーは、“とにかくカッコいい曲がほしい”っていうものと、あとはちょっと抽象的ですけど“ほかの音楽ゲームで聴かない曲”、耳の肥えた音楽ファンが聴いてもいいと思ってくれるものというものですね。『インフィニティジーン』のときはかなり細かく音を指定したんですけど、今回はそのへんは結構ざっくりとしています。あ、あと“ジャンルはいっぱいほしい”という注文もしました(笑)。

小塩 『インフィニティジーン』のときは作った曲を全否定されることもあったんですけど、今回はそういうのはなかったですね。わりと僕のアイデアを活かしてもらえたのかなと。あとジャンルを多くという注文に関しては、多くと言っても世界観を壊してしまうようなジャンルは入れられないですよね。例えば昭和歌謡っぽいのは入れられない。あくまで『GROOVE COASTER』という世界観の中でのふり幅にしないといけない、というのは考えてました。

――ふつうのゲーム音楽を作るときとの違いはありますか?

小塩 音ゲーの曲って、それ自体はわりと自由が効くと思います。そんなに制約がなく作れる。たいへんなのはむしろ曲を作ったあとですね。

石田 今回その曲作りからそのままターゲットの判定の仕様まで全部小塩がやってるんで、僕はすごく楽でした(笑)。しかも僕はそれに対してたまに文句を言うわけです。「こんなのプレイできねーよ」って(笑)。まあこういった感じで、今回は小塩に企画的なところに相当踏み込んでもらってます。これは僕のゲーム作りのなかではかなり珍しいですね。

小塩 これに関しては、僕がやらせてくれってお願いしたことでもあるんです。と言うのも、たぶんこの作業ってサウンド的な感覚が必要になってくると思いましたし、それを例えば石田にやってもらって、できあがったものを見たらたぶん「なんでこんな風にしちゃったの!?」って絶対文句を言っちゃうと思って。それでこれは今日いちばん言いたかったことなんですけど、今回このプロジェクトでは、僕は“半分以上の時間を曲や音作りじゃなくて仕様決めやステージのデザイン”に費やしました。本当にたいへんだったなあ……。ところで、純粋に曲だけで参加した土屋君はなにかある?

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コンポーザー
土屋昇平氏

土屋 小塩がかなりがっつり仕様の面に関わっていることはもちろん知ってました。ただ、石田の作るゲームにはこれまであまり関わったことがなかったので、正直何を求められてるんだろうと悩みました(笑)。それで出た結論は、「俺を使うということは、たぶん何か違う風がほしいんだろう」と勝手に解釈して、音ゲーをまったく意識しないで作ろうと思いました。

石田 そうだね、もう本当にいままでの一般的な音ゲーの常識を覆すような曲ができちゃったね(笑)。

土屋 『Spring to mind』という曲なんですけど、これはいちばん最初は“リズムが存在しない曲”として作ってたんです。リズムがまったく存在しないので、タイミングを合わせて押すということができない。もう音ゲーとしてどうしようもないですね(笑)。ただ、この『GROOVE COASTER』っていう世界を作るうえでカッコよさとかインテリジェンスとか、そういったものが必要かなと思ったんです。そういう理念を持って作ったんですけど、これはさすがにダメ出しされました(笑)。それでこの曲に関しては、一応リズムを“唸り声”という形で入れてみました。あと、今回僕はカッチリとした曲を作っていないです。ロック調の曲でも正確なリズムをとっていない。メトロノーム的に言うと、ちょっとずれています。僕個人として「カッカッカッカ……」ときっちりしたリズムのなかではノレないんです。そういう曲ってゲームに乗せるのはすごく難しいだろうなとはとは思ったんですけど、そこはまあ小塩ががんばってくれるだろうと丸投げしちゃいました。

小塩 カッチリ曲の拍に合わせてターゲットを設定していくと本当に合わないんですよ……。だから全部いちいち手動でターゲットの位置を微調整していかなきゃならなかったんです。もう少しだけでもこっちのことを考えもらいたかったなあ(笑)。

土屋 だってそれだとノレないんだもん(笑)!

石田 『Spring to mind』は個人的にああいうのを入れたかった曲なんです。最終的に調整はしましたけど、結果としてユーザーにあれが違和感なく受け入れられたというのはすごくうれしいです。いまのところあの曲がイヤだって意見を目にしたことがないので……。

小塩 いやいや、あったじゃん(笑)! まあイヤだって言うよりは、「怖い」っていう意見でしたけどね。でも本当に土屋が入ることによって『GROOVE COASTER』にすごく幅ができたし、いろんな音楽ファンが楽しんでもらえる作品になったと思います。

■Spring to mind

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――それぞれが気に入っている曲はなんですか?

土屋 さすがに自分の曲は入れないですよ(笑)? ほかの人の曲だとあれがカッコよかったですね、『REVENGE OF ARKANOID』。

小塩 僕は『Not get wish』好きですね。曲自体のノリがよくて、それでいてアンビエントで、しかもこの曲は後半部分に差し掛かると本当にジェットコースターみたいになるんです。そこでもう「これはヤバイ、スゴイ!」と感動してしまいましたね。

石田 僕は全部カッコいいと思います(笑)。

土屋、小塩 それはズルイ(笑)!

――ステージが進むごとに「あ、この曲がいちばんいい!」ってドンドン好きな曲ランキングが塗り換わっていきましたよ。それくらい全曲よかったです。

小塩 ああ、それは本当にありがたい意見です。音ゲーを作るとなるとどうしても曲をたくさん入れないといけないじゃないですか。ほかの音ゲーだと50曲とか100曲とかもありますよね。そこまでいってしまうと、プレイされていない曲も出てきちゃうじゃないですか。僕はそれがすごくもったいないし、イヤなんですよね。それが今回はいまもおっしゃっていただいたように、ユーザーからもいろんな曲を好きと言ってもらえて、プレイされてない曲はまだ生まれてないんじゃないかなと思っています。本当に目標だったんですよ“捨て曲”を作らないというのが。

石田 たしかに開発中に半ギレくらいの勢いでそれを僕に語ってきたときがありましたね。「捨て曲なんてあっちゃいけないんだよお!!!!」って(笑)。

小塩 いやいや、そこまでがっついていなかった思うんですけど(笑)! ただずっとそういうことを考えてはいました。

■Revenge Of Arkanoid (GC Edition)

■Not get wish

――(笑)。あとはシークレットのターゲットである“AD-LIB”を入れた意図はなんでしょう?

石田 これはもう単純で、プレイに幅が欲しかったんです。音ゲーってどうしても決められたことを決められたとおりにやるというのが、ひとつのゲーム性になっていて、それを少し変えたかったんです。“やってもやらなくてもいい”という幅が欲しかった。完全にフィーリングに任せて押すとポイントになる、というのでもよかったんですけど、それだとデタラメに押したもん勝ちみたいになってしまうので、ある程度入るべきポイントに配置しました。

小塩 結構幅広い人に受け入れてもらった感じですよね。色々な人から“AD-LIB”を探すのが楽しい、と言って貰えました。最初はコースの曲がってるところにはほとんど設置していたんですけど、最後のほうの調整では、フェイントでわざと外したりとかもしましたね。あと、最初は僕もおもしろかったんで、やたらめったら置いたらそれはそれでたいへんなことになりました(笑)。

――ちなみに今回の楽曲はもうiTunesでは販売されていますけど、CDとしては出さないんでしょうか?

小塩 これはもう皆さんのご要望次第といったところです。たくさんの「欲しい」という声が僕らに届けばきっと出せるはずです! なので、まずはiTunesで全曲購入するところから始めてください(笑)。

●もちろん、今後もいろいろ考えてますよ!

――ユーザーの意見を見て、うれしかった内容と、反省すべき点は?

石田 うれしかったのは、単純ですけどこのゲームが受け入れられたことですね。いままでの音楽ゲームとちがうというのは自覚していたので、自信はありましたけど配信されるまでは本当に不安もありましたから。そういう気持ちで配信を迎えて、結果たくさんの人に遊んでもらえたということが本当にうれしかったです。Twitterとかの反応も見ていますと、『スペースインベーダー インフィニティジーン』のとき以上にこちらが意図したことを理解してくれているなという印象です。反省すべきところは……チュートリアルがわかりにくかったようです。かなりていねいに作ったつもりではいたんですが、「わからない」という意見がいくつかきてますね。ステージ1が終わったところでチュートリアルが入るんですが、そこで終わりだと思ってしまう人もいるみたいです。

――コンシューマーゲームとiPhoneアプリの違いというのもあるかもしれないですね

小塩 価格の問題はあるかもしれないですね。やっぱり5000円[税込]するようなゲームだと、「ここで終わりなわけがない。なにかあるはずだ」って必死に探すと思うんです。でも85円[税込](セール価格)だと「こんなもんなのかな」と探さずに終わってしまう。そういう諦めが早いのかもしれないですね。

石田 1曲だけ遊べてあとは課金購入というゲームもありますから、そういう勘違いをされた方もいたんでしょうね。

――楽曲の追加はどのようなペースで?

石田 もちろん考えてます……が、詳細はまだ内緒です(笑)。ほかにもコラボみたいなこととか、やりたいことはいろいろとありますので、今後の展開も期待してもらいたいですね。たとえば、いまは考えていないですけど、“こんな楽曲で遊びたい”とか、“違うモードを遊びたい”とか、そういう要望があれば対応もしたいと思っています。

――ゲーム画面がVJみたいなものなので、クラブイベントとかやったらカッコよさそうですね。

石田 イベント、いいですね! 大きい画面に映してやれたらもうそれだけで楽しいと思いますよ。でも誰がプレイするんですか?

小塩 それはもちろん石田さんでしょ(笑)。

石田 えー! まあ、でも、そこそこは見せられるプレイもできるか。2曲くらいなら全部パーフェクトでできると思うし。こんなリズム感のない僕でもパーフェクトが取れるのが、『GROOVE COASTER』です(笑)。

――最後に皆さんからメッセージをお願いします。

石田 このゲームはこれまでの音楽ゲームが難しくてプレイできなかったという人でも遊べるように作っています。だからたくさんの人に触れてもらいたいですね。僕はこのゲームをプレイして“音楽”を楽しんでもらいたいんですよ。そういうメッセージとかを本当に凝縮したひとつの言葉がありまして、それが起動画面に表示される“Play Music”という言葉です。音楽を“再生”するという意味でもありますし、“演奏”するという意味でもありますし、“遊ぶ”という意味も込められています。

土屋 とにかくカッコいい曲だとか、ノレる曲だとかいろいろ楽しめるように作ったので、プレイヤーの皆さんもあまり縛られることなく楽しんでください。

小塩 いい言葉が思いつかなかったので、ゲームの終盤に思いついたフレーズで締めさせていただきます。「Let's GROOVE and Anytime Anywhere GROOVE! 以上、ザッツオール!(←某テレビ番組に登場するキャラクターのネタです。まさかの使い方に一同爆笑)」

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▲最後は3人で決めポーズ! ……っていったいこれは何のポーズですか!?

【GROOVE COASTER(グルーヴコースター)】
メーカー:タイトー
配信日:配信中
価格:250円[税込]
対応機種:iPhone/iPod touch、iPad(※iOS4.2以降)
備考:ゲームデザイナー 石田礼輔

(C)TAITO CORP.1978,2011

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